始まりは? -4-


強引に唇を奪った。

「とにかく!お前は俺のなの。自覚しろよ」
罪悪感より照れのほうが強くて、おもわずぶっきらぼうに言ってしまう。
おそるおそるあかりの反応を見てみると。
あかりは顔をそのままの角度で唖然として俺を見上げている。

「いま・・・」
呟きながら、俯いて。そのまま動かない。
「あかり?」
大丈夫か、こいつ?

「いま、・・・・・・キスした?」
手を唇に当てて、確認するように呟いている。
「おい、大丈夫か?」
ショックが大きかったか?やばいか?怖がらせたか?
いくらなんでもいきなりだったか?
頭の中をいろんな言葉が駆け巡る。
やばい・・嫌われたらどうする?

「・・・ひどい」
「え?」
「ひどーい!」
あかりが顔を上げる。俺の服をしっかりと掴んで俺を睨んでる。
かなり怒っているのか?

「あ、ごめ・・」
思わずごめん、悪かったって謝ろうとした。
でもその前にあかりの怒りの声に遮られる。

「ひどい!!ファーストキスだったんだよ!なのに・・・」
悔しそうに唇をかむ。目にはかすかに潤んでる。

そんなに嫌だったのだろうか?

やはり俺は唯の幼馴染でしかなかったのだろうか?


喉の奥が異様に急激に乾いてくる。


心臓の音が響く。


背中からぞわぞわしたものが体中を冷やしていく。



俺、何やってんだろ、後悔しても遅い。


俺はこいつまで失うのか?




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