憧れの存在?驚愕編-3-



そんなことを考えていたら、進藤さんが入り口に向かって手を振っていた
「よお!こっちこっち」
「まったく。今日は来る予定じゃ無かった筈なんだけどな」
そう、困ったように文句をいいながら教室に入ってきたのは塔矢さん。
「あれ、一人か?」
「いや、いま廊下で知合いにあったらしい。僕だけ先に入ったんだ」
そう言って塔矢さんは進藤さんの向かい側に座った。


「いらっしゃいませ」
ジュリエットがにっこり笑ってオーダーを聞きに来た。
「あれ、あかりさん。えっとジュリエットかな?似合ってるよ」
塔矢さんもにっこり笑って答えていた。
ほのぼのほのぼのそんな空気が流れているような気がした。
それにしても、塔矢さんはあかりさんの存在知っていたんだな。
それと誰と来たんだろう?芦屋プロとかかな?

「ありがとう」
あかりさんも笑顔で嬉しそうにお礼を言ったときだった。
「あら、あかり。すごい似合ってるわその格好」
そう言いながら嬉しそうにあかりさんに近づく女性。私服を着ているから他校生だろう。
「あ、金子さん!来てくれたんだー。ありがとう」
「それ、ジュリエットよねー、良く出来ているわね」
そう言って、金子さんはしげしげとその衣装を眺めた。
「今ね、似合っているって話していたところ」
塔矢さんが金子さんににこやかに話しかけて、当然のように自分の隣の席に促す。
って知り合いなんですか?僕達はまたもや頭がパニックになりつつあった。
だってだって!!塔矢さんは・・・・


あかりさんが、二人の注文を聞いて奥に下がって行ったあと
「二人ともお疲れ様。」塔矢さんが僕達に労いの言葉をかけてくれた。
やっぱり塔矢さんは紳士的である。
「あかりなら、アラビアンナイトとかも似合いそうなのに」
金子さんが恐ろしい事を残念そうに呟いた。
案の定進藤さんが思いっきり嫌そうな顔をして睨みつける。
「進藤、あんたねー。大概にしないとあかりから愛想つかされるわよ」
同感です、お姉さん。
「うるさい!それよりトーナメントどうしたんだよ!まだ予選中だろ?」
どうやら二人も知り合いらしい。
「ああ、進藤がエントリーしておいてくれた今日の私の分、取り消してきたから」
「はあ?」
思いっきり進藤さんが顔をしかめる。
「私は明日出るの。当然でしょ? でも、まあ、私の実力じゃ優勝なんて出来ないと思うけどね」
トーナメントには土曜・日曜どちらかしかエントリー出来ないらしい。
進藤さんは悔しそうに金子さんを睨んだ後、
「畜生!じーちゃんを呼べばよかった・・」などと呟いている。


「トーナメントがどうかしたのか?」
塔矢さんが不思議そうに声をかけてきた。
「お前も賞品聞いてないのか?」
「賞品?いや何も?」
「賞品はだなあ・・・」
進藤さんが言いずらそうだったので、さっき貰ったチラシを塔矢さんに差し出した。

「・・・・・・」
塔矢さんも信じられないようにそのチラシを覗き込み、進藤さんを思いっきりにらみつけた。
あの塔矢さん本気で怒った顔だ、進藤さんより迫力ある。
「と、塔矢。俺も知らなかったんだって。知ってたらこんな企画絶対許可しないって!!」
進藤さんのあのあかりさんへの執着心を思い出したのか
ちょっと考え込んだ後、おもむろに立ち上がった。

「と、塔矢。落ち着けって。どうするつもりだよ」
「僕は聞いてないし、許可した覚えも無い。取り消してくる」
低い声で塔矢さんが静かに答える。
ある意味、どなる進藤さんより本気で怖い。
「なんが外部にも出しちゃってるからダメだって」
ジロリっと睨む視線とかみ合った。僕達本気で怖いんですけど、帰ってもいいですかー!

そんななか、金子さんは面白そうに二人の様子を眺めた後、にこやかに爆弾発言をした。
「許可なら、私が出したわよ」
「「・・・・」」
二人は鳩が豆鉄砲くらったような顔をして、金子さんを見ながらぽかんとする。
金子さんの言葉の意味をまず理解したのは進藤さんだった。
「お、お前もかよ。俺のもあかりが許可だしてたんだよー」
進藤さんは大仰にため息をついた。
金子さんは楽しそうに微笑みながら塔矢さんを見上げる。
「私が認めているんだから、問題ないでしょ?」
「そういう問題じゃ無いだろう・・・・」
塔矢さんも深いため息をつき、困ったように金子さんを見つめる。
「君は僕が他の女性にキスしても、気にならないの?」
あれ?この質問ってさっき進藤さんがあかりさんにしたのと同じ。
進藤さんとあかりさんは彼彼女で、って塔矢さんと金子さんって、え、え、えーーー



びっくりして僕達は金子さんを改めて見てみた。
綺麗なストレートの黒髪を背中に無造作に下ろしていて、服装もシンプルなものだ。
先ほど立っていたとき結構背の高い人だなって思ったんだ。
多分170cm近いんじゃないかな。
体格は結構しっかりとした体型で、なにかスポーツでもしていそうな感じ。
それでも、太った感じはない。背が高いから均一が取れた感じだ。
しかも・・・・自然と目線が胸に行ってしまって意識して視線を外す。すごいよなー。
それに、顔は切れ長の目が印象的で、結構綺麗な人だ。
あかりさんが可愛らしい、可憐な正統派美少女で、金子さんがかっこいい個性派系だろうか。
そのかっこいいお姉さんは微笑みながら答えたのだ。
「企画ごとで頬ぐらい構わないわよ。」


「・・・・・・」
男性二人は苦虫を噛み潰したような顔でお姉さんを見つめた。
「まったく、男ってば。いいじゃないお祭なんだから」
「そういう問題じゃねーだろ。気持ちの問題だぞ」
進藤さんがあきれたように言う
「賞品がわりに頬にキスしたぐらいで、どうこうなるわけじゃないじゃない」
「だからそういう・・」
「それとも、どうにかしたいわけ?」
「バカかお前!!」
進藤さんがとうとう切れてお姉さんに食ってかかる。

「進藤、お前、誰に何を言っているんだ?」
塔矢さんが進藤さんを睨みつけ、低い声で抗議する。バカ呼ばわりはさすがに不味かったらしい
「だって、塔矢」
進藤さんも抗議する。そりゃ、男としてちょっとやりきれないよなー
「お祭だからって、僕達は売り物じゃないんだよ」
静かにとうやさんはそう言った。
「頬だろうとどこだろうと、好きな相手にしかそんなことはしたくないんだ。当然だろう?」
「それは・・・」
「その場限りの企画ものでも、嫌なものは嫌なんだ」
うんうんと進藤さんが塔矢さんの意見に同意する。
「ごめんなさい。塔矢君。金子さんは悪くないの、私が頼んだから」
ウーロン茶とコーヒーを運んできたあかりさんがそのとき申し訳ないように誤ってきた。
「まあ、私もいいんじゃない?って答えたしね。」
「本当にごめんなさい。二人はプロだし不味かったよね」
しゅんと申し訳なさそうに俯くあかりさん。
「でもね、多分優勝者は男の人だと思うの。出場者もほとんど男の人だし・・。
 だから・・・」
だから塔矢さん達の出番はって言いたいんだろうけど。
あかりさん肝心なところを間違ってます!
案の定
「だから!!そっちの方が問題なんだろうが!!!」
進藤さんだ。
進藤さん、怒る気持ちはわかるんだけど、その前にちょっと・・・




塔矢さん登場。で、彼女はなんと金子さん!!きっとこんなの私だけ?
怒りを買いそうな気もしますが、あかりちゃんの友人なので、知合ってもおかしくないかなー
塔矢さんには彼女ぐらいかっこいい子が似合うと思うのです
ぽっちゃりだった彼女も、高校ではさらに背も伸びて引き締まり綺麗になっているはず。
だってスポーツ少女ですもの(^O^)

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