実は 《 KINGDOM 》さんからフリー絵を頂きました。
「どうぞ背景で・・」との事だったので、こんな感じでアップしてみます。
この絵は『うさぎ祭』の祭絵のようですね。
とても素敵な絵に私の文章なんて・・・と思いつつ。
大丈夫かなぁー・・・・
↓
何でこうなったんだ・・
そう、ことの起こりは奈瀬が言い出したこと。
「喫茶店やるわよ!!」
ボランティアだか何だか知らないが、囲碁の若手で祭に出し物をすることになった。
俺は正直面倒で、企画やら準備やらは奈瀬や和谷に任せきりだった。
だから、俺がこんな格好をさせられるのには文句は言えない。
だけど・・・・
俺は胡散臭げに首を傾げる。
塔矢は呆然と立ちすくみ。
越智は見た瞬間、回れ右をして帰ろうとした。
そして、伊角さんは知っていたのだろう、どうしてもやるのか・・・と盛大にため息をつく。
そう俺たちの目の前では、奈瀬が可愛らしいメイドの服を着て立っていた。
しかも、頭にはウサギの耳。さらに奈瀬の手にもウサギの耳。
そして、満面の笑みで俺たちを見つめる・・・・
「あー、奈瀬。それ何?」
俺は恐る恐る問い掛ける。
「うさぎの耳」
にこにこにこ・・・・
「それは見てわかるけど・・・・。だから・・・」
にこにこ、にっこり。
「似合うと思うわよ」
うふふ・・とうさ耳を俺たちに差し出す。
「「「・・・・・」」」
俺は顔が引きつるの感じた。
「なんで、僕達がー!!!」
隣で越智が盛大に文句を言う。
それを見た奈瀬がもう本当に何も言い返せないような笑顔を見せる。
「今ね、メイド喫茶が流行っているの。だけど、ただのメイドじゃ面白くないじゃない!!」
奈瀬・・・だからって「うさ耳」なのか・・・??
塔矢は青くなっている。
越智はまだ何か文句を言っているみたいだ。
伊角さんは頭を抱えて諦めモード・・・
奈瀬の後ろで和谷が俺たちに向って手を合わせ頭を下げる。
そして、奈瀬を指差し顔を横に振る。
諦めてくれ・・・・そう言いたいらしい。
俺たちは奈瀬や和谷に面倒なことは任せっきりだった・・・
だから、文句は言えないのだろう・・
そう、だから俺はここまではしぶしぶ了承した。
だけど!!!
俺はこれは聞いていないし、了承した覚えは無い!!
しぶしぶ着替えてフロアーに行って我が目を疑う。
奈瀬とにこにこ笑いながら話しているのは・・・
可愛らしいメイド服を着て、ウサ耳を頭にのせているのは・・・
俺を見て、可愛らしく笑顔を向けてきたのは・・・・
「お前!何で!!」
「おはよう。ヒカル。へー・・・」
まじまじと俺を見つめる。
メイド姿で下から見上げてくるその様子はとても可愛らしいって、今はそんな場合じゃない!!
「ヒカル、結構似合っているね」
いや、お前の方が似合うから・・・ってだからそういう場合じゃない!!
俺の頭は、有り得ない現実にパニック状態だ。
「おまえ・・だから何で・・・」
パニクル頭で何とか言葉を紡ぎだす。
「あのね、人手が足りないからって明日美さんから頼まれたの。ねえ、似合う?」
そう言って、目の前の少女は無邪気に笑いながら、くるりと回る。
俺は聞いていないぞ
「・・・・・・奈瀬・・」
俺は低く唸り、奈瀬を呼ぶ。
キツク睨んだ俺に、奈瀬はあろうことかにっこりと笑顔を返してきた。
「だって、女の子私1人なんだもん。メイド喫茶にならないじゃない。
あかりちゃん、すっごく似合ってる。今日はよろしくね」
明日美さんも似合ってますよーなんてあかりはにこやかに返事をしているけど・・・
「奈瀬・・・あかりは関係ないだろう・・・」
俺は怒りを堪える低い声で奈瀬に文句をいい、
あかりの手を引いて「帰るぞ」と促す。
「ちょ、ちょっとヒカル!」
あかりが抗議の声をあげるが無視をする。
あかりは関係ないし、俺は聞いていないし、
第一こんな格好のあかりにウエイトレスなんてさせられる訳がない。
が、結局。
奈瀬と和谷の猛然たる説得にあい、とどめはあかりの
「今日だけだからね。一度喫茶店のウエイトレスってやりたかったの」
という笑顔に負け、ほぼ無理やり了承されることになる。
絵を書いている人たちは「うさぎ祭」をやっているのですね。
いろんなサイトさんに可愛らしい絵があるなーと。
素敵な絵を書ける人たちには、唯々感心してしまうばかりです。
さて、後半に続きます。
この絵の作者 叉牙吏さん の素敵なサイト《 KINGDOM 》にはこちら ⇒ ★
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