サ ヴ ァ イ ヴ
◇ う わ さ ◇



「・・・・2人は乗らないほうがいいと思う」

目の前でシンゴが言いづらそうにコメントする。



シンゴが久しぶりにコロニーに帰ってきたので、現在コロニー在住の私達2人と3人で

食事をしているのだが・・・

「えー、どうしてシンゴ。折角なのに・・・」

シャアラが不満そうに頬を膨らませる。

でも、シンゴはどうしてもはっきりとは理由を言わず、

「あんまりお勧めはしないよ」とボソリと呟いた。



「シンゴ!なんだ、その言い方は!カオルはりっぱな操縦士だぞ。

なぜ避けなくてはならないのだ。しかも我々は生死をかけた冒険の仲間ではないか」

そう、シンゴはカオルが乗る宇宙船に、我々2人は乗らない方がいいと言っているのだ。

「違うよ!操縦技術とかそういう問題じゃないんだ!!」

慌ててシンゴが否定するが、では何だと言うのだ!

「とにかく、お勧めしない」

シンゴは結構頑固なところがある。

「だが、私はすでに今度乗ることが決っている。父の供で」

私がそう言うと、シンゴは私を何か言いたげに見つめた後、

仕方ないとでも言う様に盛大にため息をついた。

「とりあえず、健闘を祈るよ。気をつけて」

どういう意味だそれは!と言ったが、結局教えてはもらえなかった。



最後にシンゴは、シャアラにもう一度祝いの言葉を述べてから帰っていった。

彼もいろいろ忙しいらしい。

「どういう意味だろうね、メノリ」

「さあ?見当もつかないな」

我々はお互い顔をかしげる。

「ところで、シャアラ。本当におめでとう。しかし、何だ。いいのか本当に・・」

私が口を出すことではないのだが・・・

「もちろんよ、メノリ。結局、こうなる運命だったんだわ」

にっこりとシャアラらしく「運命」なんて乙女チックな事を言う。

「そうか・・・・」

本当に私が口を出すことではない。だが・・

シャアラが婚約した。しかも相手はあのハワードだ。

シャアラはベルが好きだったと思っていたのだが・・・

そして、ハワードは・・・・




ブルンと軽く頭を振る。

本当に私には何かを言うことなど出来ないのだ。

「メノリ。私は幸せよ」

シャアラが穏やかに笑う。

「シャアラが幸せなら、それでいい」

私も彼女に微笑んで、そして私達は分かれた。

シャアラは大切な仲間で親友だ。幸せになってもらわなくては困る。

しかし、相手があいつでは・・・

ハワードも大切な仲間であるが、思わず私は不安に襲われてしまった。



そして、宇宙に出る日がやってきた。



長い航海をするかなり大きな旅客船。

副操縦士とはいえ、カオルの若さでここまで大きな船の操縦士というのはすごいことのはずだ。

カオルは、かなり優秀なパイロットと聞いている。誇れる仲間だ。

いや、あの時の仲間はみんな世間で活躍している。素晴らしいことだと思う。

搭乗をすませ、父とともに出発の時をまつ。

すると目の前の画面に、壮年の紳士と若い青年が二人映しだされた。

「本日は・・・・」

壮年の紳士、もとい艦長が出発の挨拶を行なう。

2人の若い青年が副操縦士達のようだ、つまり一人はカオルということだ。

「おや、あの青年は・・」

父がそう呟いたので、私はカオルを説明した。

「そうか、カオル君も立派に活躍しているのだな」

父が感心したように頷いた。

私は、そうですねと頷きを返した後、挨拶の間まじまじとカオルを観察する。

昔から綺麗な顔をしていたと思うが、相変らずだ。

そして、もう一人の若い(カオルよりは明らかに年上だが)副操縦士が穏やかな微笑みを浮べているのに対し、

彼は真面目な顔を崩しもせず、にこりともしない。

その様子が、あまりにも彼らしく思わず懐かしくなってしまった。

これでもあの冒険以前からすれば、随分な進歩のはずだし・・・

そうだ、あとで可能なら休憩時間に食事でも一緒に取ろう。お茶くらいなら可能かもしれない。



アニメを見たら思わずはまってしまいました。 私はカオルさんファンなのですが・・・・ ちょこっとしか出てきませんね。ルナに至っては・・・・・(ーー;) でも、そのうちにカオルもルナも出てきますよ、一応(^^;) そしてそれでも、大人カオルナなのです!!で、何気にハワード×シャアラだったりします。 話はメノリさん中心に進んでいきます。 メノリさんも好きなキャラなのです(と、言うか書きやすいので) 甘い話では全然ありませんが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

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